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TAJIRI「プロレス深夜特急 プロレスラーは世界をめぐる旅芸人」を読みました


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プロレス深夜特急 プロレスラーは世界をめぐる旅芸人 書評

\漫画 プロレスの会場/

こんな人におすすめ

こんな人におすすめ
  • 気ままな旅にでかけたい人
  • プロレスラーを目指す人
  • 海外の風と匂いをハートで感じたい人
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プロレス深夜特急を読んで

本書は、プロレスラーTAJIRIさんの2017年11月から2019年8月までの旅の記録です。

世界最大のプロレス団体「WWE」から、アジアの新興プロレス団体まで、選手としてコーチとして幅黒く活動するTAJIRIさんの記録は濃密で、まるで自分がその旅に居合わせているような気になります。

全285ページとそれなりのボリュームはありますが、心地よく最後まで読み切ることができました。

この本で分かること

「自由」には、実力が必要だと分かります。

世界中を放浪するだけなら簡単にできます。しかし、TAJIRIさんのように、世界各国からのオファーを受け、訪れた先で何かを残し、それを次につなげていくという生き方は、自由である反面、それ相応の実力が求められます。

たとえば冒頭で、TAJIRIさんはイタリアでの試合が決まります。すると直後に、イタリア→マルタ共和国→ポルトガル→オランダと各国で2試合、2セミナー(コーチ)のオファーを受けました。

たしかな実力があるからこそ、組まれるオファーです。

自由な旅は、実力があるからこそできるのです。

この本を読むとどうなるのか

旅に出たくなります。それも、海外の風と匂いをハートで感じるような旅に出たくなります。

TAJIRIさんのような旅に出るのは難しいかもしれませんが、それでも、気ままで自由な旅に出たくなります。

印象に残った箇所と感じたこと

プロレス深夜特急の、特に印象に残ったところを3つ書きます。

技は「心」を表現するための「手段」なのだ

ここから先はオレ(TAJIRIさん)の持論だが「技」はそれ自体を魅せることが目的ではなく、リングで戦うレスラーの「心」を表現するための「手段」なのだ。

第1章 美少年の国と砂の男の国

私は常々疑問に思っていました。

多少の違いはあれど、プロレスラーが使用する技はそれほど多くありません。

極端に絞れば技は、投げる、落とす、極めるの3つのみ。なのに、観客の興味を引く選手とそうでない選手がいます。「同じ技」を使っているのにです。

たぶんこれは、選手がどこかで見てきた技をただ使っているのか、自分の「心」を表現する手段として技を使っているかの違いだと思います。

それまでなんとなく分かっていたような気になっていましたが、こうやって言葉で表現されるとストンと腑に落ちたような気になります。

誇りに満ちた男たち

体を鍛える場所はGYM。魂を鍛える場所はDOJO。俺はそう思っている……

第1章 美少年の国と砂の男の国

これは、後に全日本プロレスの常連外国人となる選手が、全日本プロレスに上がる前にTAJIRIさんに言ったセリフです。

彼はプロレス文化のない自国に、プロレスを根付かせるため日々奮闘しています。

本書によると、WWEの技だけを模したプロレス(ごっこ)が氾濫する世界各国で、彼は非常に日本的な考えを大切にしているようで、DOJOにあるリングに選手が上がるときは、必ずマットで足を拭くという作法を大切にしています。

やがて、彼は全日本プロレスへ参戦し、常連外国人となるのです。

私もこの選手が大好きです。よく分からないけど、何かをやってくれそうな気がするのです。

しかし失礼ながら、本書に書かれているような壮大な夢を持っていたなんて、砂埃ほどにも思いませんでした。

コロナ禍で来日が途絶えていますが、また彼のプロレスを見たいです。

ショーを楽しんでくれ!

派手なことや危ないことを無理してやろうとしないでくれ! 自分にできることだけを最高にやればそれでいい! そして……そう……そうだ……本当はこれだけでいいんだ……みんな! 思う存分にショーを楽しんでくれ!

第4章 混沌と神秘、アジアのプロレス

フィリピンでMWFを主催するタレックさんの言葉です。

そこにいるのは、TAJIRIさん曰く「プロレスの真似」しかできない選手ばかりのようですが、発展途上のフィリピンのプロレスを楽しむのは、とても大事なことだと思います。

私が感じたこと

一般的にプロレスラーの強さとは、力が強い、技が上手い、ベルトを持っている、チャンピオンであることなどが一般的ではあります。

しかし、世界中のどこでもコスチューム一つで渡り歩けることもまた、プロレスラーの強さなのです。

このような生き方に憧れます。

プロレス深夜特急について

  • まえがき
  • 第1章 美少年の国と砂の男の国
  • 第2章 旅人は理想郷をさがし求める
  • 第3章 プロレスで金持ちになれる世界唯一の国
  • 第4章 混沌と神秘、アジアのプロレス
  • 特別師弟対談 VS.朱里
  • あとがき

著者のプロフィール

1970年9月29日生まれ。熊本県玉名市出身。94年9月19日、IWAジャパンでデビュー。その後、メキシコ・EMLL、アメリカ・ECWなどで活躍後、WWEに入団。“日本人メジャーリーガー”として活躍した。帰国後はハッスルに所属、新日本プロレスに参戦、さらにSMASH、WNCを率いて独自の世界を築き、プロデュース、若手育成にも高い評価を得る。

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本の詳細

  • 出版社 ‏ : ‎ 徳間書店 (2021/6/30)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/6/30
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ファイルサイズ ‏ : ‎ 74281 KB
  • 本の長さ ‏ : ‎ 359ページ
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