プロレスのビッグマッチといえば、東京・両国国技館で行われます。
とはいえ、まだまだ両国国技館には行ったことがないという人も多いでしょう。
今回は、ビッグマッチの聖地と呼ばれる、両国国技館を解説いたします。
両国国技館の座席ごとの特徴
次に両国国技館の座席を見ていきましょう。プロレスの場合、次のように座席が分けられています。
- SS席
- S席
- マスA席、マスB席、マスC席
- 2階イスA席、2階イスB席

座席ごとに特徴を見て行きましょう。
SS席(特別リングサイド席)

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広い両国国技館の中で、最もリングに近い座席です。
両国国技館は各団体ともに、人気のカードが多く組まれます。
人気のカードを近くの席で見られる喜びは何よりも変えがたいもの。当然、値段は張りますが、それ以上のものを得られることができるでしょう。
時には記念として椅子を持って帰ることができるような特典が付くこともあります。

SS席ですと、このように選手のアピールを間近で見ることができます。
S席(リングサイド席)
SS席と区別がされないこともありますが、位置づけとしてはSS席より後ろのリングサイド席。
プロレスの場合、両国国技館ではリングサイドに椅子を5列並べることが多いです。つまり、だいたい4列目と5列目の座席です。
リングからの距離はSS席と同様にとても近いです。しかし、リングサイド周辺は段差のないフラットな構造になっています。
そのため、前の座席の人によっては見づらく感じることがあるかも分かりません。
それでも、11,000人以上収容する両国国技館で、リングサイド席で観戦できるのは、僅か3%ほどの400人程度だけです。
プレミアムな座席であることに変わりはありません。
マス席(マスA、マスB、マスC席)

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両国国技館の象徴とも言えるのが、升(マス)席です。



座席は、マス席の最前列が1側で、順番に2側、3側と数が増えるごとに後方へと続きます。最後列は15側です。マスの分け方は、A席・B席・C席と3つに分けられたり、A席、B席のように2つに分けられたりします。いずれにせよ、数字が若く、値段設定の高いほうがリングに近い席となります。
マス席の注意点
次に、マス席に座るときの注意点を紹介します。
プロレスは座布団がない
相撲中継を見ていると、マス席には座布団が敷かれていますがプロレスの会場では敷かれません。
これは、第一回G1クライマックスで蝶野選手が優勝したとき、「おめでとう」の意味を込めた大量の座布団がリング内に巻き込まれたことが理由です。あまりに危険ということで、座布団は敷かれなくなりました。
そのため、マス席では、A席・B席・C席問わず、固めの床に直接座ります。

けっこう固めなので、気になる場合はクッションを持ってきても良いでしょう。しかし、マス席はあまり段差がないので、高さのあるクッションは後ろの席の人が見づらくなるので注意しましょう。
マス席は狭い
マス席のチケットを買うとき、注意しておきたいのは、一つのマス席に座る人数です。

一つのマス席に2人ずつ座ることがあれば、4人が座ることもあります。2人ずつの場合は、足を伸ばして快適に座れますが、4人だとめちゃくちゃ狭いです。
マス席の広さはだいたい150センチ四方です。つまり1人あたり75センチ四方と考えて良いでしょう。このサイズに収まらない場合は他の席を考慮したほうが良いかもしれません。
小柄な人なら良いですが、大人4人だとかなり狭く感じます。
一つのマス席に何人座るかは、プロレス団体によって変わります。新日本プロレスでは、全てのマス席で4人ずつが多いですが、ノア、DDT、大日本プロレスなどでは2人ずつ座ることが多いです。
4人ずつのマス席を1~3人で購入、もしくは2人ずつのマス席を1人で購入したときは、見知らぬ人とマス席を相席します。この場合、共有した者同士でどこに座るかを決めますが、だいたいは先に席を確保したほうが前に座ります。見知らぬ人と共有する場合は、念のため早めに到着しておいたほうが良いでしょう。
また、WWE日本公演のように、マス席を枡単位で販売してケースこともあります。最大4人以内であれば、1人でも4人でも同一料金です。
マス席の一部は収容可能

1側から7側までのマス席は可動式となっており、8側目以降の階下に収納することができます。8側目がマス席の最前となり、それより前は段差がついてアリーナ席になることもあります。
WWE、ハッスルでそのような使われ方がされたときがありましたが、あまり多くはありません。
マス席の噂
また、噂によるとマス席は取り外して椅子を置くこともできるそうです。
私は、両国国技館でプロレスの試合を行うときは、この形式を採用するよう強く希望します。
2階イス席(イスA、イスB席)

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両国国技館の2階は通常のイス席です。
正面・向正面・東・西席の4方と、その中間にあたる4隅の席に分けられています。
気をつけたいのが武道館のように、4隅が南西や北東のように明確に記載されていないこと。正面と東の間の席ならば正面側、東と向正面の間の席ならば東側と記載されています。
これは、事前に座席図で確認しておくしかありません。

両国国技館2階席の座席です。
背もたれのクッションが効いています。座布団のないマス席よりも座りやすい席です。

2階席後方3列のみ、このような座席となっています。
手すりはありませんが、それでも座りやすい席です。
2階席は、他の会場よりも広く、通路も広いため、ゆっくりと観戦することができますが、1階が緩やかな傾斜のマス席なので、武道館に比べるとリングまで距離を感じるかもしれません。


距離を感じるなら、事前に双眼鏡を用意してから観戦したほうが良いでしょう。
位置的にいうと、2階席の最前列は1階マス席の10側目あたりです。マス席後方の席よりは2階イス席のほうがゆっくりと観戦することができるかもしれません。
2Fイス席の注意点
次に、2Fイス席での注意点を紹介します。
ドリンクホルダーが付いていない
指定席で気をつけたいのが、前方・後方ともに。ドリンクホルダーが付いていないことです。
最近ではビール・缶の持込が制限されることもあります。その場合、紙コップに移し替えて飲むのですが、置く場所がないため手で持っておかなければなりません。
売店で販売しているビールも紙コップなので飲みにくいです。ここは改善を望みます。
座るときの姿勢
椅子席で注意しておきたいのは、イスに座るときの姿勢です。
両国国技館の椅子席は傾斜が緩やかなので、座ったときの姿勢によって後ろの人の見え方に影響が出てきます。
これは言葉で説明するより実際の例で説明したほうが分かりやすいでしょう。次の写真を見てください。


この写真は、両方とも同じ座席から撮影したものです。
ご覧の通り、前に座っている人の姿勢でリングの見え方が全く変わります。
最初の写真は前の人が背もたれに背をつけて座っているもので、後の写真は前傾姿勢で座っているものです。
これをやられると、後ろの座席に座っている人も前傾姿勢にならないとリングが見えないようになります。そうすると、その後ろに座っている人も同じように前傾姿勢になります。誰も得をしません。
両国国技館の椅子席では、できるだけ背もたれに背を向けて見たほうが、みんなが幸せになれるのです。
両国国技館の飲み物・食べ物
たまに持ち込み不可の場合もありますが、基本的に両国国技館では飲食物の持ち込みは自由です。
そのため、JR両国駅前のキヨスクや周辺のコンビニエンスストアでは、試合開始前になると行列が作られます。なので、両国駅に着く前に買物は済ませておいたほうが良いでしょう。
両国国技館の中では、生ビールが500円です。
両国国技館名物としては、「国技館やきとり(鶏肉3本とつくね2本の5本入り)」が有名です。

どこかの工場から運ばれてきているのかと思いきや、両国国技館の地下にある「焼き鳥工場」で調理されているようです。
なぜ、国技館で焼き鳥なのかというと、手をつかないという縁起から来ているそうです。
遠赤外線で焼き上げられており、冷めても美味しいとして評判。5本入って620円と良心的な価格設定です。

近隣の飲食店
両国駅近辺で食事をするなら「両国-江戸NOREN」が便利です。
両国駅からほぼ直結で、屋根付きの建物の中にいろんな飲食店が集まっています。建物内には実物大の土俵もあるので、インスタ映えなんかもします。
リンク 両国-江戸NOREN
両国駅の南側に行くと、もっとたくさん飲食店があります。ちゃんこ屋さん、チェーンの居酒屋、ファーストフードに小粋な飲み屋にファミリーレストランと、およそ何でも揃っています。
今なら、GO TO イートキャンペーンに対応した飲食店も多いです。事前に予約してから行くと、キャンペーン対象になります。
両国国技館周辺ホテル情報
両国国技館でのプロレスは、ビッグマッチであることは確実。
そのため、関東近辺以外から来場される方も少なくありません。
両国周辺のホテルを紹介します。
パールホテル両国
両国国技館から最も近いホテルです。駅からの途中にあるため、ビルの最上部に書かれた「両国パークホテル」の文字を覚えている方も多いでしょう。
東側に向いた部屋からは、眼前の両国国技館はもちろん、東京スカイツリーを眺めることも可能です。
シングルルームが多く設定されており、1人で両国国技館でのプロレス観戦にはおススメのホテルです。
両国リバーホテル
両国国技館からJRの高架下を潜ってすぐにあるホテルです。
シングルルームはもちろん、ツイン・ダブルルームを多く設定されています。また、1~5人用に広めの和室も用意されていますので、家族や友人同士のプロレス観戦におススメのホテルです。
両国ビューホテル
両国駅の目の前。
全室にバルコニーが付いたやや高級なホテルです。
装飾は全てアールデコ様式でまとめられており、外見からもラグジュアリーな雰囲気が漂います。
恋人とのプロレス観戦ならば、このホテルがおススメです。
ホテル内の、レストランは宿泊者以外の飲食も可能です。
その他のホテル
両国駅前はあまりホテルがありません。なので、実際に宿泊するのなら、秋葉原や東京駅周辺まで移動してホテルを探すことになるでしょう。
このあたりまで来ると、ホテルがなくて困るなんてことはまずありません。ゆっくり希望のホテルを探してください。
両国国技館の最寄り駅、アクセス
両国国技館の最寄り駅は、各線「両国駅」です。

JR総武線「両国駅」から
JR両国駅は東口と西口の二種類がありますが、国技館に近いのは西口です。西口の改札を出て、右を向くと、両国国技館が見えます。たぶん迷うことはないでしょう。
両国国技館に行くまでに、何か食べたいor買いたいという場合は、改札を出て左へ曲がりましょう。駅のホームと平行して、コンビニや飲食店が並ぶ商店街があります。
都営大江戸線「両国駅」から
地下鉄の場合、都営大江戸線「両国」が最寄り駅ですが、両国国技館からは少し離れた出口に着きます。
A3出口から地上に上がり、江戸東京博物館の敷地内の細道を通って、両国国技館の正面入り口を目指すのが良いでしょう。ゆっくり歩いて5分ほどかかります。
両国国技館でプロレスを見よう
ざっくりではありましたが、両国国技館の座席ごとの特徴をまとめてみました。
プロレス観戦を楽しむためには、座席の選択は大きなポイントです。
ぜひ、あなたの観戦スタイルに合った席をお選びいただき、プロレスを楽しんでください。
最後に余談ですが、「両国国技館」という名前は一般向け通称であり、正式名称は『國技館』です。
そのため、駅構内の案内板には、「國技館」、または「国技館」と書かれていますので、ご注目ください。
- 用途 大相撲興行・イベントホール
- 収容人数 11,098人(B1Fアリーナ1,300席・1F桝2,600席・2Fイス2,600席)
- 管理運営 (公財)日本相撲協会
- 延床面積 35,700m2(メインアリーナ)m2
- 階数 地上2階・地下1階
- 高さ 39.6m
- 竣工 1984年11月
- 総工費 150億円
- 所在地 〒130-0015
- 東京都墨田区横網一丁目3番28号